
紙資料の長期保存に必要な基本的な考え方
- 執筆:
- 中島 誠一
- 記事
- 文書保存
- 日付
実家の片付けや遺品整理をしていると、古い手紙や写真、証書などが出てくることがあります。どう保存すればよいかわからず、とりあえず段ボール箱に入れてしまう方も多いです。しかし保管方法を誤ると、数十年後には読めない状態になることがあります。
酸性素材が紙を傷める仕組み
市販の段ボール箱や封筒の多くは酸性素材です。紙資料をこれらに長期間接触させると、酸が移行して紙が黄変・脆化します。この劣化は一度進むと元に戻せません。
無酸性(中性〜弱アルカリ性)の素材を使った保存箱や封筒を使うことで、この劣化を大幅に遅らせることができます。長期保存を前提とした資料には、素材の酸性度(pH)を確認することが基本です。
温度と湿度の管理
紙資料の保存に適した環境は、温度15〜20℃、湿度40〜55%程度とされています。日本の夏は高温多湿になりやすく、この時期に適切な環境を維持することが難しい場合があります。
エアコンのある部屋での保管が理想ですが、難しい場合は押し入れや収納の中でも、除湿剤を定期的に交換しながら管理する方法があります。ただし密閉しすぎると湿気がこもることがあるため、通気性も考慮が必要です。
写真の保存で注意すること
印画紙の写真は特に湿度の影響を受けやすく、高湿度の環境ではカビが発生しやすいです。写真同士を重ねて保管すると、表面が貼り付いてしまうことがあります。
写真の保存には、無酸性の個別スリーブに入れてから保存箱に収める方法が適しています。デジタルデータとしてのバックアップも合わせて取っておくと、万が一の際の備えになります。
保存箱の選び方
保存箱は、資料のサイズに合ったものを選ぶことが重要です。大きすぎる箱に入れると資料が動いて傷む原因になります。オーダーメイドで内寸を設計した保存箱は、資料をぴったり収めることができます。
素材は無酸性のボール紙が基本です。布張りの保存箱は見た目が美しいですが、布の素材が酸性でないかを確認する必要があります。
保存方法に迷ったときは、資料の種類と現在の状態をご連絡ください。状況に合った方法をご提案します。
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