
革装本の経年変化と日常的なケアの方法
- 執筆:
- 中島 誠一
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革装本を手にした方からよく聞かれるのが、「どうやって手入れすればよいか」という質問です。植物タンニン鞣しの革は、適切なケアをすることで長く使えます。逆に、間違った方法で扱うと表面が傷んだり、変色が進んだりします。
植物タンニン鞣し革の経年変化
植物タンニン鞣しの革は、使い込むほどに色が深まります。手の脂や空気に触れることで表面に艶が出てきます。これは革が「育つ」過程であり、使う人によって異なる表情になります。新品のときは少し硬く感じることがありますが、数週間使うと手に馴染んできます。
日常的なケアの基本
基本的なケアは、乾いた布で表面の埃を拭うことです。月に一度程度、革用のクリームを薄く塗ると、乾燥による表面のひび割れを防げます。クリームは少量を布に取り、円を描くように薄く伸ばします。塗りすぎると革が柔らかくなりすぎて、型崩れの原因になります。
水に濡れた場合は、すぐに乾いた布で水分を吸い取り、直射日光を避けた場所で自然乾燥させます。ドライヤーや暖房器具で急乾燥させると、革が収縮して表面が割れることがあります。
避けるべき保管環境
革は湿度の変化に敏感です。高湿度の環境ではカビが発生しやすく、低湿度では乾燥してひび割れが生じます。保管場所の湿度は40〜60%程度が目安です。
直射日光も革の劣化を早めます。窓際の棚に長期間置くと、日光が当たる面だけ色が変わることがあります。本棚に収める場合は、日光が直接当たらない場所を選んでください。
革装本のケアで迷ったときは、工房にご相談ください。状態を見てから適切な方法をお伝えします。
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