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ノートとスパイラル
紙の種類と厚さが、綴じの仕上がりを大きく左右します

和紙を使った製本の基本と選び方

執筆:
中島 誠一
記事
和紙
日付

製本に使う紙を選ぶとき、「和紙なら何でもよい」と思われることがあります。しかし和紙にも多くの種類があり、綴じ方や用途によって適したものが変わります。ここでは、工房での経験をもとに、和紙の選び方の基本を整理します。

和紙の厚さと綴じ方の関係

和紙の厚さは「匁(もんめ)」や「g/m²」で表されます。薄口(15〜30g/m²程度)は透け感があり、麻の葉綴じや四つ目綴じとの相性がよいです。針穴が目立ちにくく、綴じ目が繊細に見えます。

中厚(40〜60g/m²)は、書き込みを前提とした手帳や日記帳に向いています。ペンのインクが裏抜けしにくく、日常的に使うものに適しています。厚口(70g/m²以上)は、表紙や見返しに使うことが多く、本文紙として使う場合は綴じ穴が開けにくくなるため、針の太さと穴あけ道具の選択が重要になります。

長期保存に適した和紙の特徴

保存を目的とした製本では、酸性度(pH)が中性から弱アルカリ性の和紙を選ぶことが基本です。酸性紙は時間とともに黄変・脆化が進みます。楮(こうぞ)を原料とした和紙は繊維が長く、強度と保存性のバランスがよいとされています。

一方、パルプを混合した和紙は価格が抑えられますが、長期保存の観点では純楮紙に劣ります。修復や保存を目的とした製本には、原料と製法が明記されたものを選ぶことをお勧めします。

工房での和紙の扱い方

和紙は湿度の変化に敏感です。工房では、使用前に紙を室温に馴染ませてから裁断します。特に冬場は乾燥で紙が縮みやすく、糊付け後に寸法が変わることがあります。

裁断は繊維の方向(紙目)を確認してから行います。紙目に沿って折ると綺麗に折れますが、逆方向に折ると波打ちが生じます。製本では、紙目が背に平行になるように配置するのが基本です。

和紙の選び方に迷ったときは、使う目的(書き込み用か保存用か)と綴じ方を決めてから素材を選ぶと整理しやすくなります。工房では実際のサンプルを見ながらご相談いただけます。

#日本紙 #装本 #日本式綴じ #管理

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